Webサイトには、ユーザーに見てもらいたい「流れ」というものがあります。
例えば、商品やサービスを検索ユーザーに購入してもらうような場合、どのような導線があるでしょうか。
- あるキーワードで検索する
- その検索キーワードから流入してくるページがある
- 商品・サービスの詳細ページに遷移する
- 購入カートに移動する
- 届け先や支払い情報の入力
- 確認画面
- 完了画面
上記のような流れになると思われます。
①~⑦のそれぞれの段階で数字をチェックすべきであり、
- どのステップで離脱が多いのか
- デバイスごとの割合はどうか
- 新規とリピーターのどちらが多いのか
といったことを確認するような分析を、「導線(ファネル)分析」と言います。

今回の記事では、ファネルで分析することの大切さや方法をお伝えします。
ファネルとは?
ファネルとは、日本語に訳すと「漏斗(ろうと)」のこと。
モノや液体を移すときに便利ですよね。
ウェブ解析の場合は、サイトに集客したユーザーが、「集客」「閲覧」「誘導」「成果」と至っていく段階で、ふるいにかけられるように少数になっていくことをファネルと言います。
漏斗に形が似ているというわけですね。

ファネルの感覚を覚えておくことは、Webサイトやブログを運営するうえで非常に大切です。
ファネルの一番大きい段階である「集客」を広げていかないと、「成果」を増やすことはできません。
「集客」は50なのに、「成約」が100件というのはあり得ませんからね。

ファネルの段階ごとに数字を把握してみよう
ファネル分析するときは、下図のように考えていきます。


集客数の把握
Googleアナリティクスにログインしたら、左メニュー「行動」>「サイトコンテンツ」>「ランディングページ」で表示されるレポートを見ます。
ランディングページとは、サイトに来てくれたユーザーが一番始めに見たページとなります。

Googleアナリティクスでは、計測期間を選択できます。
1カ月くらいで絞り込むのがいいかなと思います。
このWebサイトの場合、一番集客できているページのセッション数は「161」となります。
コツは、「ランディングページ」のセッション数が多いページから改善を図っていくことですね。
具体的な改善のポイントは、下記のとおり。
それぞれに記事を用意しているの参考にしてみてください。
- SEO対策:SEO対策の方法とは?Google検索攻略のAtoZ
- 記事のリライト:【リライト作業に役立つ】記事のアクセス数が減少したときの分析方法と作業手順
- SNSからの集客:エンゲージメント率アップ!Twitterのアルゴリズムを解説
ランディングページの離脱を確認
集客できているランディングページ。
そのページの直帰率を確認します。

例えば、アフィリエイトサイトの場合、集客できるページ=アフィリエイト広告を掲載しているページというのがベストではあります。
しかし、検索キーワードによって、必ずしもそうならない場合は多く、したがって成約させるページにどのように誘導するかがポイントとなります。
具体的な改善のポイントは、下記の通り。
こちらも参考記事を貼っておきます。
誘導ページの離脱を確認
集客ページと同じように誘導した後のページの離脱率も確認します。
この段階で大事なのは、
です。
方法は後述します。
成果数を確認
そして最後に「成果数」を確認します。
- ボタンや広告リンクのクリック数(アフィリエイトやアドセンスの場合)
- 登録の完了画面(メルマガ登録や商品購入の場合)
上記のようなことが成果に当たるでしょう。
この成果をGoogleアナリティクスで把握できるようにするためには、
- Googleアナリティクスで目標設定をする
- Googleタグマネージャーでクリックを計測できるようにする
といったことが必要です。
設定など相談に応じることが可能です。
依頼したいという方がいましたら、下記ページよりお問い合わせください。
そしてKGIとKPIという形で、相関性を確認できるといいです。
KGIは成果数。
KPIの内容は下記となります。
- 集客数
- ランディングページの離脱数
- 誘導ページの離脱
KPIとKGIについては、下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
あわせて読みたい
→ 【難しく考えない】KGIを分解してKPIを作る方法。誰でもできる目標達成計画を解説
Googleアナリティクスのシーケンス機能
「集客」「閲覧」「誘導」「成果」というフローを、Googleアナリティクスの複数のレポートを横断しながら確認するのは大変です。
そこで便利なのが「シーケンス機能」。
ファネル分析をする際には、シーケンス機能を使うと効率的です。

シーケンスとは?
Googleアナリティクスでいうシーケンスとは、ユーザー行動の順番を条件指定できる方法です。
スマホでサイト閲覧をすることが多くなった現代では、セッションが細かく途切れるようなユーザー行動が見られます。
そのように複数のセッションをまたいだような場合、とくに使えるのがこのシーケンス機能です。
シーケンス機能と言ってもわかりにくいかもしれませんね。
例えば、ある大型マンションがあったとして、満室にするために住民の特徴を分析して、広告媒体の精査をするとします。
そういったときには、以下のような手順が効率的です。
- マンション全体を俯瞰しても、どんな人が住んでいるのかわからない
- 1室1室で住んでいる住民の家族構成や年齢層を調査する
- その部屋に住んでいる人物像が見えてくる
- 部屋単位で調査した人物像から、そのマンションに住んでいる層の特徴が見えてくる
というように、データ量の大きさを変えながら見ることが大切です。
シーケンス機能の使い方
Goolgeアナリティクスにアクセスしたら、どのレポートでもいいのですが、「セグメント」が表示されているレポートに移ります。
セグメントをクリックして、「+新しいセグメント」をクリック。

集客の多いランディングページが、どのようにコンバージョンに至っているのかを調べる設定にしてみます。

①シーケンスを選択
②フィルタは「セッション」もしくは「ユーザー」で選択できますが、今回は広告リンクをクリックした「セッション」でフィルタを作りたいので「セッション」を選択します。
メルマガ登録や商品購入といったように、「ユーザーベース」のフィルタを作りたい場合は、「ユーザー」を選択しましょう。
下図のように、設定しました。

- 集客ページ(ランディングページのこと)の「.com」以降のURLを入力
- 成果ページのURLを入力
- 広告リンク(外部リンク)を設定
※外部リンクはタグマネージャー、もしくはイベントトラッキングという計測方法で設定可能。Googleアナリティクスのデフォルト機能ではクリック数を計測できません。
シーケンス機能を使うために、必ずしもGoogleタグマネージャーを使う必要はありません。
上記ではクリックも計測しましたが、「集客ページ」→「成果ページ」だけを条件として、シーケンス機能を使ってもいいかなと思います。
シーケンス機能のメリット
ここまでで紹介したようにシケーンス機能を設定することで、条件を絞ったユーザーの解析ができるようになります。
シーケンス機能を使って条件を絞り込んだユーザーの分析をすることで、再現性の高いWebサイトを作ることができるはず。
ユーザー分析については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
あわせて読んでみてください。
あわせて読みたい
→ 【完全解説】サイトに訪問してくるユーザーを理解しよう!GAレポートのユーザー機能で深掘り
シーケンス機能のデメリット
KGIの再現性を増やすためのシーケンス機能ですが、アクセス数が少ない場合は有効なデータを解析できないというデメリットがあります。
また条件を複雑にしすぎてしまっても、有効な数値が取れなくなってしまうので注意が必要です。
まとめ:シーケンス機能を使えると解析が効率的になる
一度設定しまえば、便利なシーケンス機能。
最初は難しく感じるかもしれませんが、試しに設定してみると便利なので、重宝すると思います。
この記事のポイントをまとめると下記のとおり。
- Webサイトには、ユーザーの流れがある
- ユーザーの流れはファネルで見る
- ファネル分析はシーケンス機能が便利

いろいろと試してみると、サイトの改善点発見に役立つはずです。
Googleアナリティクスについて、もっと学びたい方はこちら