こんにちは。分析おたすけマンこと、山根です(Twitterはこちらから)。
Googleアナリティクスでは、Webサイト(ブログ)に訪問してくれたユーザーの、
- 年代
- 性別
- 興味
がわかる機能があります。
実際に表示されるレポートは下図のような感じです。

例えば、「育児」に関する情報をブログで発信していたとしたら、メインターゲットは30代女性が多いことが予想されます。
Googleアナリティクス(GA)に表示される年代・性別のレポートを確認して、
- 想定ユーザーからズレはないか?
- 想定ユーザーの集客経路はどこか?
といったことを確認しながら、サイト運営していけるといいですね。
レポートを確認するなかで、育児サイトだけど「意外と男性にも見られてる」なんて気付きもあるかもしれません。
かならず事実を数字で確認して考えていくことが大事なんです。
この記事では、年代・性別・興味がわかるレポートを活用した分析方法をお伝えします。
分析することによって、どんなコンテンツを作れば成果に繋がるのかを検討しやすくなるというメリットがあります。

Googleアナリティクスの分析方法は、下記の記事にまとめています。
あわせてご覧ください。
あわせて読みたい
→ 【Googleアナリティクス講座一覧】ブログを改善して成果につなげる分析方法
GAのユーザー属性の仕組みを理解しよう
Googleアナリティクスで「ユーザー属性」のデータを取るためには、最初に設定が必要です。
まだの場合は、設定を済ませてしまいましょう。
設定方法については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ご確認ください。
あわせて読みたい
→ Googleアナリティクスとは?解析に欠かせない3つの初期設定
属性データ取得の仕組み
サイトに訪問したユーザーの年齢や性別、興味がわかる「ユーザー属性」。
このデータはどうやって取得しているのか?
まずはその仕組みをお伝えします。
簡単に説明すると、Googleが配信している広告をクリックしたユーザーから推測されています。
例えば、「車の広告をクリックした人は男性である可能性が高い」という感じでユーザーが推測されます。
そういったユーザーの行動をCookie、広告ID、IDFAといった広告識別子と言われる技術で認識して、年齢や性別、興味を判別しているんですね。
少し専門的な話となってしまいましたが、
- アンケート集計のように正確なデータではない
- すべてのユーザーデータを反映できるわけではない
という点は注意が必要です。
詳しくはGoogleの公式ヘルプに説明があるので参照してください。
属性データの取得比率を確認しよう
Googleアナリティクスにログイン>オーディエンス>ユーザー属性>年齢という順にクリックして進んでみてください。
そうすると下図のようなレポートが表示されます。

ある期間に、サイトに訪問してきたユーザーが、年代別に表示されています。
ここで1つ確認しておきたいのは、赤枠で囲んだ「全体のセッションに対する割合」という部分です。
この割合を見ればデータの取得比率がわかります。
さきほど、「すべてのユーザーに関するデータが取れるわけではない」とお伝えしましたが、どれくらいのデータを取得できているのかを確認しましょう。
全ユーザー数のうち37.63%のユーザー属性が、レポートに反映されているということになります。
属性データは、すべて取得できるわけではないので、細かく数値を突き詰めた分析には向いていません。
コツは相対的な比較をすること。
つまり、35-44歳の年代より、25-34歳の年代のほうが多いんだなとか、比較しながら分析をしていきます。

GAのユーザー属性を利用した分析方法
下のような①~⑧の分析をすれば、Webサイトの特色がかなり分かるのではないかと思います。
- 年代ごとのセッション数
- 年代ごとの直帰率
- 年代ごとのコンバージョン率
- 年代別に男性と女性の割合を確認
- 年代ごとの使用端末
- 男性と女性の割合
- 男女別のコンバージョン率
- 男性と女性の新規・リピーターの割合
解析する期間については、3カ月~6カ月くらいの期間で見ることをおすすめします。
Googleアナリティクスでは、期間が短すぎると差異がわかりにくい場合があるので、ある程度の期間を選択して分析していきましょう。
年代ごとのセッション数
まずはデフォルトのレポートを表示してみましょう。
Googleアナリティクスにログイン>オーディエンス>ユーザー属性>年齢で表示されるレポートが下図となります。

このレポートを見る限り、Webサイトの主なユーザー層は25-34歳の年代ということがわかります。
その年代が興味をもつようなテーマで記事を書いていくとリピーターを増やせるはずです。
年代ごとの直帰率
あわせて直帰率も見ていきましょう。

レポートを見ると、65歳以上の直帰率が高いことがわかりました。
そして、55-64歳の年代の直帰率は、他の年代と比較してかなり低いのが目立ちますね。
直帰というのは、そのWebサイトに訪問した最初のページで離脱したことを言います。
直帰率が低いということは、最初のページから他のページへの回遊性が良いということです。
それでは次に、回遊が良いページを特定してみましょう。
下図のように「セカンダリディメンション」で「ランディングページ」を選択します。

ランディングページとは、サイト訪問時に一番最初に閲覧されたページのことです。
セカンダリディメンションの検索窓に「ランディングページ」と入力すると、すぐ見つかるはず。
年代ごとに刺さる内容やテーマは異なるものです。
年代層ごとに直帰率の差を確認しておくと、内部リンクの最適化や内容をリライトする際に参考になります。
年代ごとのコンバージョン率
ユーザー数とあわせて、年代別のコンバージョン率も必ず見ましょう。
Googleアナリティクスでは、目標を設定する機能があります。
目標に設定した条件をクリアするとコンバージョン(目標完了)ということです。
このWebサイトでは、
- 1回のセッションで3ページ以上読んでくれた
という条件の目標を設定してみました。

ユーザー数は25-34歳の年代が多かったわけですが、コンバージョン数が多かったのもやはり25-34歳の年代でした。
ここで気になったのは、45-54歳の年代のコンバージョン率がやけに高いこと。
比較することでわかる特異点には注目です。
Webサイト改善のための気付きになるはず。
ちなみに65歳以上のコンバージョン率も高いですが、分母が小さいので率に影響しやすくなっています。
この結果はスルーでよさそうですね。
年代別に男性と女性の割合を確認
年代別に性別を確認する場合も、セカンダリディメンションを利用します。
下図のように「性別」を選択。
そうすると下図のようなレポートが表示され、年代ごとにユーザーの性別を確認できます。

maleは男性、femaleは女性です。
さきほどと同じく、直帰率の低いユーザー属性とコンバージョン率の高いユーザー属性も確認しましょう。
年代ごとの使用端末
こちらもセカンダリディメンションを利用します。
セカンダリディメンションで、「デバイスカテゴリ」を選択。

このブログの場合、25-34歳がdesktop(つまりPCユーザー)でアクセスしてくることが多いという結果でした。
ブログの場合、モバイルユーザーが多いというのが定説です。
しかし、実際に分析をしてみないとわからないことがあるという例ですよね。
男性と女性の割合
男女別のレポートも深掘りしてみましょう。
Googleアナリティクスにログイン>オーディエンス>ユーザー属性>性別で表示されるレポートを見てみます。

年代別レポートと同じように、全体に対する割合を確認。
そして、
- ユーザー数
- 直帰率
- コンバージョン率
など相対的な比較をしていきます。
さらに、セカンダリディメンションも使って、
- ユーザータイプ
- デバイスカテゴリ
などを見ていきましょう。
年代・性別を分析する際に知っておきたいWebの基礎知識
年代や性別によって、Webページの見方は違うと言われています。
Webデザインは奥が深くて、
- モバイルフレンドリー
- シニアフレンドリー最適化(SFO)
- 女性に好まれやすいWebデザイン
- 子供向けのデザイン
など、想定ユーザーによって作り方が違ってくるというわけです。
このあたりの方法論は、かなり研究されているので興味のある方はWebデザインの本などを読んでみるといいですね。
下記の本なんかはオススメです。
もちろん数字的な解析は大事なのですが、まずはWebサイトとはどういうものなのか?を理解しておくと話は早いです。
人間の目には、視界に入っているのに「見えていない」ということがよくあるので、Webサイトの法則みたいなものが存在します。

Fの字を描くように視線を移動する
ユーザビリティ論で有名なヤコブ・ニールセンの調査によると、多くのユーザーは「Fの字」を描くように視線を移動していることがわかっています。

ユーザーはページ内をくまなく見ているというより「飛ばし読み」「斜め読み」をしながら、ざっくりと見ているものです。
ちなみに「Fの字」の法則だけでなく、「Zの字」の法則もあって、Webサイトのデザインによって異なる場合があります。
そういったユーザーの視線を解析するには、ヒートマップといったような解析ツールを使うと分析できます。
Webサイト閲覧の出発点はサイトロゴ
ユーザーがWebサイトを閲覧する際に、まず見るのはページの一番上にあるサイトロゴです。
検索エンジンやSNSからWebサイトへ遷移したときなどは、瞬間的にサイトロゴを確認して、思惑通りのサイトに来たことを確認します。
色には目に飛び込む色と、引いていく色がある
色には暖色系と寒色系があります。
暖色系は色が膨張して見えるため、目に飛び込むと言われます。
注意喚起や警告に適しています。
逆に寒色系は収縮して見えるので、広い面積で使用しても不快感が少ないと言われています。
シニアフレンドリー最適化
これからの時代において、シニア層のインターネット利用者は確実に増えていきます。
そこで注目されているのが、シニアフレンドリー最適化(Senior Friendly Optimization)です。
2017年に65歳以上でネット通販を利用した世帯の割合は18.2%だそうで、この10年間で約2.5倍に増加しています。
- 文字が大きい
- ボタンは大きく目立つように
- 人の顔の写真を掲載して、イメージが伝わるように
- サイト内検索の設置
というのは、シニアフレンドリー最適化の基本です。
まとめ:GAのユーザー属性をコンテンツ制作に活かそう
この記事ではGoogleアナリティクスで、年代・性別で分析する方法をお伝えしました。
まとめると、以下のようになります。
- 属性データを取得するためには、Googleアナリティクスの設定が必要
- セカンダリディメンションを利用して、年代・性別のレポートをさまざまな角度で見る
- Webサイトを閲覧するユーザーの見方を理解しよう
年代、性別をトラッキングする設定をすれば、「ユーザーの興味」も解析できるようになります。
Googleアナリティクスにログイン>オーディエンス>ユーザー属性>インタレストで表示されるレポートでは、
- アフィニティカテゴリ
- 購買意向の強いセグメント
- 他のカテゴリ
といったようなユーザーの興味関心を確認することができるようになるんですね。
ユーザー属性のインタレストは、Google広告を使用しない場合、少し参考にしにくいのですが、一度見ておくといいと思います。

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