退職後、何かとお世話になるのがハローワーク。
公共職業安定所とも呼ばれ、国の機関です。
使い方によっては、転職の強い味方になります。
この記事では、ハローワークのメリット、デメリットを解説。
効果的な使い方を知って、上手く活用しましょう。
結論としては、転職エージェントと上手く併用する方法をおすすめします。

退職してからハローワークに10年ぶりに足を運びました。
10年前と比べると、サービスの質がかなり向上したなという印象です。
民間の転職エージェントのサービス内容とも比較しながら、解説していきます。
ハローワークがやっぱりすごい理由
ハローワークでは無料で手厚いサポートが受けられます。
ハローワークのサービスメニューは下記のとおり。
- 職業相談
- 職業紹介
- 応募書類の相談・添削
- 面接の相談
- 各種セミナー
- キャリアコンサルティング
- 公共職業訓練の情報提供
ざっと挙げただけでも、就職・再就職に関するあらゆるサービスが受けられます。
さすがに国の機関だけあって、民間の人材紹介業では、ここまでのサービス内容を実現するのは難しいでしょう。
ハローワークは、全国544箇所にあり、職員数10,536人 相談員数15,702人という圧倒的規模で運営されている機関(数字は2017年の報告に基づきます)。
ハローワークに雇用保険の手続きのためだけに行くという方も多いかもしれませんが、転職活動で利用するメリットは大きいと思います。
最大限に活用しましょう。
在職中でも利用できるハローワーク
あまり知られていないかもしれませんが、ハローワークは在職中でも利用できます。
以下のサービスを利用できます。
- 職業相談
- 職業紹介
- 求人票の閲覧
- キャリアコンサルティング
- 公共職業訓練の情報提供
転職サイトの場合は、自分で情報を探さなければなりません。
ハローワークに相談をすることで、受け身でも転職活動に関する知識が増えていくというはメリットでしょう。
何事もそうですが、転職活動においても情報は大事ですよね。
ただし、実際にハローワークで求人に応募できるのは、退職日が決まってからというケースもあるようです。
現職の会社とのトラブルを避けるためなのですが、ハローワークで転職したい場合は、退職時期を決めてからのほうが良さそうです。
もう一つ、使い勝手の悪いところがあるとすれば、ハローワークの利用時間。
基本的に平日のみ9時~17時です。
平日に休みが取れる場合しか、行けないという点は、在職中に転職活動をする際にはデメリットです。
いくつかのハローワークでは、隔週で土曜日にも利用できる施設もあるようです。
お近くのハローワークに、土曜日に利用できる施設があるか調べてみましょう。
圧倒的なハローワークの求人件数
時期にもよりますが、ハローワークの求人数は、全国で140万件以上とのことです。
東京都だけでも約12万件以上あるとのことなので、ものすごい数の求人が常時あるわけですね。
リーマンショック後に、1%を割ってしまったハローワークの有効求人倍率ですが、今では1%ほどで推移しているようです。
失業者1人に対して、1件の求人数ということになるので、理論的には失業者がいなくなる計算ですよね。
転職エージェントの有効求人倍率は、ハローワークよりも高く、1.6%ほどです。
このことからも、ハローワークを利用しているけど、転職エージェントは利用していないという方は多いようです。
有効求人倍率については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
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→ 【鉄則】転職を売り手市場のときにすべき理由。2020年までがチャンス
公共職業訓練の情報はチェックすべき
公的職業訓練(ハロートレーニング)とは、再就職に必要な知識や技能を習得し、希望の就職を目指すことを目的とした制度です。
公共職業訓練は離職者のみ利用可能。
受講料は原則無料で、主には以下のようなコースがあります。
国もしくは地方自治体から認可を受けている学校に通うことになります。
- 基礎的なパソコンスキル習得
- 手に職系のスキル習得(溶接、電気設備管理など)
- オフィスワークの資格系(医療事務、簿記、不動産資格宅建士など)
- Web系(Webデザイン、スマホアプリ開発など)
- 高齢者向け(ビル管理、施設警備など)
機械、電気工事、保育士、介護福祉士を育成するような学校の場合、1~2年ほど通わなければいけないコースもあります。
注意点としては、年齢制限があったり、受講料の一部が有料となったりする学校もあるので、よく確認しておきましょう。
現状のスキルでは就職や転職が難しいという方は、ぜひ利用すべき制度かなと思います。
教育訓練給付金
公的職業訓練と混同しがちですが、「教育訓練給付金」という制度もあります。
こちらは、転職をする予定のない人、つまり在職者でも利用可能です。
学校に通ってスキルを身につけたい場合に、支払った費用の一定額が支給されるという制度です。
下記のようにいくつか条件があります。
- 一定の条件を満たす雇用保険の被保険者、もしくは離職者
- 厚生労働大臣の指定する学校(もしくは講座)
基本的に社会人であれば、雇用保険には加入していると思います。
雇用保険の加入期間が短いと利用できない場合があるので、ハローワークに問い合わせてみましょう。
スキルアップを目指して学びたいのであれば、利用すべき制度ですね。
とくにIT人材育成に関する学校は、対応していることが多いです。
AIテクノロジーを学べる学校や、データサイエンティストを育成する学校など、先端IT人材に関する講座は、要注目ですね。
先端IT人材は、人手不足のため、好条件での転職が可能です。
国も育成に力を入れているので、知っておくといいかもしれません。
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→ 【データミックス(DataMix)の評判】説明会に参加してわかったデータサイエンスが注目されている理由
ハローワークでの転職活動に向いている人
ハローワークは、すべての求職者に向けて開かれた機関です。
最近では国の方針により、下記のような方の就職支援には、とくに力を入れているようです。
- フリーター
- 非正規労働者
- 育児中の女性
- 高齢者
加えて、従来通り、新卒者、障害者、母子家庭の母、生活保護受給者、Uターン、Iターンの支援も行っています。
ハローワークで転職活動をするメリット
転職サイトや転職エージェントだと、自分が住んでいる地域の求人はほとんどなかったという場合があります。
しかし、ハローワークは全国規模で、地域密着型。
よほどの過疎地域でない限りは、求人がないということはありません。
また、今まで都市部で働いていたけど、退職を機に地元に帰ろうという方もいるかもしれませんね。
例えば、東京にいたとしても、全国の求人を探して応募できる点も、ハローワークのメリットでしょう。
企業がハローワーク経由で採用するメリット
企業側にとっても、ハローワークからの求職者を採用するメリットがあることを知っておきましょう。
ハローワーク経由で採用をした場合、助成金をもらえるという制度があります。
例えば、最終選考の段階で、ハローワーク経由と転職サイト経由の求職者のどちらか一方が残ったとします。
助成金が出るのであれば、ハローワーク経由の応募者を選ぶというケースは多いようです。
ハローワークで求人応募する際のコツ
そもそもハローワークに求人を出す際に、企業側は掲載料がかかりません。
しかし、転職サイトや転職エージェントの場合だと、掲載料や仲介料がかかってしまうんですね。
前述のとおり、助成金がもらえるという制度があるので、転職サイトとハローワークの両方に同じ求人情報があった場合は、ハローワーク経由で応募したほうが採用確率が高まるはずです。
転職サイトの使い方については、こちらの記事も参考にしてください。
あわせて読みたい
→ 【転職先の探し方】陥りがちな失敗を理解すれば、自分の希望にあう転職は可能
ハローワークのデメリット
ハローワークのデメリットも挙げておきます。
下記のとおりです。
- 求人の質が基本的に良くない
- ハローワークはとにかく混む
- 応募先企業の求人情報が曖昧

求人の質が基本的に良くない
ハローワークの場合、企業は無料で求人情報を掲載できるのは、さきほども説明しました。
つまり、求人を出すハードルは低いんですね。
裏を返すと、必ずしも優良企業の求人ばかりではないということ。
なかには、ブラックな企業も存在します。
企業の内情については、ハローワークの職員も把握していない場合が多いので、自分でリサーチして調べるしかない点はデメリットでしょう。
転職エージェントであれば、そのあたりの内情はしっかり把握しています。
(内情を知ったうえで、ブラックを薦めてくる低レベルなエージェントも存在します。)
企業の質にこだわるのであれば、大手の転職エージェントを利用することをおすすめします。
あわせて読みたい
→ 転職エージェントdodaの特徴と使い方。情報収集とヘッドハンティングに魅力あり
ハローワークはとにかく混む
ハローワークは、時間帯など関係なく、たいてい混んでいます。
キャリア面談に行っても待たされます(予約制を導入するなど、何とかしてほしい……)。
しかも、個室の相談ブースはなく、ただパーテーションで区切られただけの場所で相談するという状況です。
隣の人の話が筒抜け……という何とも雑多な雰囲気です。
プライベートな話を「そのような場所でしたくない」という方は多いのではないでしょうか。
大手の人材紹介会社であれば、面談は個別ブースが用意され、キャリアコンサルタントとマンツーマンです。
自分のキャリアと向き合いながら、コンサルタントにしっかり相談したいという方は転職エージェントをおすすめします。
人材紹介の最大手「リクルートエージェント」の面談は、転職初心者にはぜひ受けてもらいたいサービスです。
詳しく解説した記事があるので、読んでみてください。
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→ 【転職エージェントとの面談】転職成功のために相談すべき8つのポイント
応募先企業の求人情報が曖昧
求人情報の内容が曖昧という点については、僕がハローワークでもっとも改善してもらいたい点です。
退職後にハローワークでも求人情報をたくさん見ましたが、求人票の書き方が曖昧な企業が非常に多いです。
曖昧というのは、入社後の仕事内容がはっきりしない求人ですね。
あえてなのか、悪気なくそのように書いているのかはわかりませんが、仕事内容にこだわって転職活動している人にとってはストレスかもしれません。

このことは、転職エージェントの求人票と比較して見ると、はっきりわかります。
転職エージェントの場合は、法人担当者のチェックが入りますからね。
僕も一度、採用に関わったことがありますが、「その内容だと応募者はこないと思います」と言われます。
求人票専門のライターという職種もあるくらいで、求人票に書く仕事内容というのは、本当に重要なんです。
仕事内容が曖昧なまま働くことになって、
- 思っていた仕事内容と違った
- 契約関係などいい加減な企業だった
というトラブルは、絶対に避けたいですよね。
低品質な求人票の企業は例外なく業績もイマイチなので、応募しなければいい話なのですが、切羽詰まっていると判断が緩くなることもあるかもしれません。
ハローワークしか利用しない求職者は、求人票の質を見抜けないと思います。
ぜひ転職エージェントと併用して、転職活動をしましょう。
まとめ:ハローワークと転職エージェントは併用しよう
今回の記事では、ハローワークについて解説しました。
退職してハローワークに行ってみると、システムやサポート体制など昔とは変わったなと印象でした。
昔は、職員の横柄な態度にいちいち腹を立てていたものです(笑)
転職は、ネットで買い物するように気軽にできる時代になっていくでしょう。
どうすれば、お得に効率的に転職できるのか? という視点を持つことが大事かなと思います。

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